6/25のこと 

シンガーソングライター堀川ひとみさんのバースデーワンマンライブ「ひーたん生誕祭」が溝の口糀ホールで開かれ、行ってきました。 

今回の生誕祭は、ひーたん自身、かなり意欲的に準備をし、新曲をなんと5曲も完成させ披露をするなど、気合を感じるライブでした。 

まず、ひーたんのライブで感心するのは、常連さんがチケットを買った上でスタッフになっているところ。協力を名乗り出るファンがたくさんいるということ。これは、ハッキリ言って他のアーティストさんではないところであり、ひーたんのライブ独特のよさです。 

「みんなで作り上げている感」があるのです。スタッフもその役割を喜んでやっている。これが、ひーたんから常連さんが離れない理由なんだろうなあ… 

今回は、当日の準備には協力することが難しかったので、ひーたん自身が制作した「ひーたん攻略BOOK」に寄稿する、という形で協力しました。ひーたんのことがよくわかる貴重な冊子となっています。みんな買ってね♪ 

~~~~~~~~~ 

さて、前置きが長くなってしまいましたが本編。 

この糀ホールは、すばらしいグランドピアノが常設されており、座席もホール形式でひな壇になっている、穴場なホールです。 

開演すると、ひーたんが妙齢の(?)男性を引き連れて、客席から登場。なんだなんだ?と思っていると、その男性陣は、最前列の「スペシャルシート」にご案内。「スペシャルシート」のみなさんには、ひーたんから「10大特典」をもらえるそうな(笑) 

♪1曲目「灯して。」 

この選曲は秀逸でした。ひーたんのライブに来る人は、多かれ少なかれ、心の中に何かしらの「闇」を抱えていると想像します。その闇を灯す一筋の光を表現したこの「灯して」は闇から抜け出すきっかけを与えてくれる曲。 

♪2曲目「loop」 

人間、行き詰まると、まさにループを描いて、苦しみから抜け出せない時間というのがあります。そのループ(悪循環)を真正面から捉え、リアリティを追求して楽曲に昇華している曲。この曲をきいていると、自然と苦しみを共有してくれている気がして、安心するのです。 

♪3曲目「私の心 嘘だらけ」 

自分に嘘をついて、生きていることの虚しやや切なさを感じさせる曲。そして、自分に嘘をつかないで、受け入れて、生きていくことの大事さを実感させる曲。私はこの曲に何度救われたでしょう。 

♪4曲目「受容前葛藤=Real Me=」 

人は、何か異質なこと、経験のないことに対して、すぐには受容できない面を持っています。でも、受け入れることと受け入れられないことの葛藤を経験して、本当の自分に出会える。辛いことも悲しいことも、拒否するのではなく、そのままを受け入れて、自分で自分を許してあげよう。そんな思いにしてくれる1曲。この日のために書いた新曲第一弾。 

♪5曲目「いくじなし」 

「死ぬことの できないいくじなしは 生きているそれだけで 戦士なんだ」何回も書くけど、私もみんなと同じ「いくじなし」。だから、いくじなしなりに、生きてみようと思う。特別なことを成し遂げなくてもいい、生きてさえ入れば、何かはできるはずだから。 

~~~~~休憩コーナー~~~ 

休憩時間をつかって、「撮影会」を実施。こういう「区切り」をうまく使って、撮影可にするライブは、アーティストにとってもファンにとってもいいアイディア。 



RIMG0437


(第二部) 
♪即興曲コーナー 

毎年恒例になりつつある即興コーナー。観客に「お題」を出してもらい、そのキーワードを使って即興曲をつくってしまうという、なかなかマネできない芸当。即興曲でも一応ストーリーを描いて、美しいメロディにそれを載せる。再現できないのが心残りですが、ひーたん「芸は身を助く」だね。 

♪シュレッダーマン 

今回のライブに向けてつくった新曲2曲目。長く務めた仕事をやめなければいけないというある男の人の話を聞いて、この複雑な気持ちを曲にしたいと思い書いたという曲。「世の中、どんな仕事だって、意味の無い仕事なんかない」という気持ちと「必要ない人なんかいない」という気持ちが伝わってきて、ちょっとがんばってみようかなと思わせる一曲。 

♪いらない子、旅にでる 

新曲の3曲目。「いらない子」と言っているけど、実は「いらない子なんてどこにもいない」という気持ちが織り込まれているように、せるじおは感じました。いろんな世界を旅して、発見があったり、前に進めたりして、自分の理解者も増えていく。「いらない子」と思われがちな、ハンディを持っている人は、そんな旅に出てみない?と問いかける一曲。この曲、じわじわと元気になれる! 

♪黒幕-fixer- 

ググッてみたら「フィクサー(英: fixer)は、例えば、物事を決定する際に、内容や順序を変更したり新たな条件を発生させるなどの、介入する手段を持っている人物を指す。」と書いてありました。黒幕というと悪いイメージがついてしまうけど、そればかりではない、黒幕の存在が人生に新たな局面を与えることもあるって感じる一曲でした。 

♪最初の人 

「そうあなたは 私に分かる言葉で 教えてくれた 最初の人」宇宙人と呼ばれてしまう私、そんな私を理解して、私に理解できる言葉に直して、気持ちを伝えてくれた「最初の人」。そんな人の存在があったから、私は生きてこられたの、という自叙伝的ヒーリングソング。おそらく誰でも「認めてもらいたい」願望を持っていて、認めてもらえたとき、絶大な安心感を持って生きることができる。あなたの「最初の人」は誰ですか?と問いかけるような一曲。 

♪私はうたを信じたい 

ひーたんにとっては、歌を歌うことは、人生を生きること。命懸けで歌をつくり、歌を歌う。だからひーたんは、歌の力を信じてる。その力に引き寄せられるように、ひーたんの歌を聴く人の輪が広がっていく。そんな輪がどんどん広がるといいなと思いながら聞いていました。 

♪pray~うたの国の住人たちへ~ 

新曲5曲目。直接的には震災を受けて、世界中で「pray」~祈り~というキーワードが広がっていく過程にインスピレーションを受けてつくった曲。それは同時に、堀川ひとみの音楽を聞くひとりひとりが、自分だけの国を持っていて、そこの主であるというメッセージを込めた曲でもあります。堀川ひとみの音楽は、「うたの国の住人」たちによって、守られ、愛され、人々に広がっていく。この連鎖が続きますように。そんな祈りを込めてつくった曲です。 

<終演> 

いつも思うのですが、ひーたんのライブは、選曲、曲順ともに、どう組立れば、いちばん観客に届くのかを考え抜いて構成されているってこと。当たり前に事だけれど、これがいちばん難しい。でもひーたんのライブは、それが完璧に考え抜かれています。それはまるで、1本の映画を見ているようでもあり、演劇を見ているようでもあります。ライブにコンセプトをきちんと埋め込んでいる。奇をてらわず、オーソドックスに、基本に忠実にライブ構成をしているので、毎回見るたびに感動します。 

今回もひーたん、感動をありがとう! 
そして、新曲づくり、大変だったね。でもやり遂げたね。ブラボー! 

~~~~~~~~~~~~ 

そして、終演後に行われた、打ち上げ! 
ひーたんのライブ後は、何かしらの打ち上げがありますが、このような形で(会議室を借り切って)の打ち上げは初めてでしょう。この打ち上げには、本編参加者の2/3もの人が参加して、盛況でした。 

企画モノも趣向を凝らして、「ひーたん曲名ビンゴ」などをしたり、「ひーたんの恥ずかしい映像」(ミュウミュウのときの画像?)も公開されたりして、楽しいひとときを過ごせました。